令和4年12月7日 周産期福祉避難所開設訓練が行われました

今年度の周産期福祉避難所開設訓練は12月2日に仙台市で震度6強の地震発生の設定で、通信訓練を実施しました。通信訓練は仙台市が現在協定を結んでいる仙台市内の看護系学校6校と情報交換をし「周産期福祉避難所の開設施設」を決定、同時に宮城県助産師会に「災害派遣助産師」の派遣要請をするというものです。

続いて12月7日には仙台医療センター附属看護助産学校に於いて「周産期福祉避難所」開設訓練を実施しました。開設訓練では妊産婦や乳幼児とその家族等、避難所では心身の安心安全が保てないと保健師によって判断された方たちを要保護者と捉え周産期福祉避難所に受け入れるまでの過程を実施する内容となっています。コロナ感染の有無について入所者は原則入所前にはチェックされています。

コロナ禍で中止が続き今回は3年半ぶり4回目の開設訓練となりました。

主催の仙台市、協定を締結している各施設からの参加者は21名。NHK、仙台放送、宮城テレビ3社の取材が入り、総勢30名を超えていました。

取材を受ける坂詰助産師

当会からは塩野会長(中央)災害派遣助産師として坂詰昌子助産師(左)青山幸恵助産師(右)の3名で参加しました。

               

受け入れ家族は2事例でした。1事例目は青山助産師が担当。妊娠8か月妊娠高血圧症合併の妊婦、アレルギーがありよく動き回る元気な1歳の男児がいて避難所では落ち着かないということで夫と共に3人を受け入れる設定でした。

 

とても不安そうです。入所時のバイタル測定、頭痛などの自覚症状、腹緊の有無、胎動の有無、1歳児のアレルギーの症状、アレルギーミルクの種類等知りたい情報がたくさんあります。優先順位に沿って聞き取るというところで終了。

   

2事例目は28歳初産婦、産後20日目の母児2名の設定でした。こちらは坂詰昌子助産師が担当しました。

余震のたびに子供が泣き、母乳を飲ませたいが周りが気になって落ち着かないという情報のみです。この設定からも必要な情報収集がたくさん見えてきます。

このような中で、周産期福祉避難所の開設期間は災害発生から原則7日間と決められているため開設期間が過ぎてからの行き先を早いうちに決めておく必要があります。今回の訓練では災害派遣助産師は限られた時間で入所者の情報を収集し必要とする支援を即座に提供する助産師力が求められると再認識しました。

訓練後に産科施設間で意見交換会がありました。今回の訓練含め過去4回の訓練からも多くの課題が見えてきました。

妊産婦や、乳幼児、家族の安心、安全を確保するためには食事、トイレ、清潔、コロナ禍での感染予防対策と感染が確認された場合の処理フローなど、1つ1つを実現可能なレベルでの具体策を構築することが必要と思います。当会の要望や意見は仙台市へ提示いたしました。

当会では協定に基づき「周産期福祉避難所支援マニュアル」を作成しています。

また、災害派遣助産師の募集を会員の皆様に向けて常時発信しています。災害派遣助産師の登録にご協力いただけますと幸いです。

(文責 災害対策委員 青山助産師)

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