2023年11月18日（土）宮城県委託事業令和５年度助産師人材育成・復職支援研修「性の多様性＆乳児の発達の診断についての研修」開催報告

「LGBTQ+を入り口に考える性の多様性と共生社会」　研修報告

Andante　小野直子

　第1部では、公立小学校非常勤講師　特定非営利活動法人プライドハウス東京　理事　鈴木茂義先生にご講義いただきました。先生はご自分が心も体も男性であり、恋愛対象が男性であることをカミングアウトし、現在は男性パートナーと一緒に暮らしていることを話してくれました。現在に至るまでのライフストーリーをお聞きすると、さまざまな葛藤があり、しかし、さまざまな決断、そして自分と向き合うことを大切にしてきたのだということが伝わってきました。さらに葛藤があったからこそ前に進めたともおっしゃっていました。先生は大学生の時にはじめて友人にカミングアウトしたとのことですが、兄弟や家族にはずっと後になってからでした。
　日本には、パートナーシップ制度や様々な支援団体、相談機関があります。パートナーシップ制度のある自治体は急激に増えています。仙台市には多様な性に関する活動に取り組む「にじいろキャンバス」という団体もあります。また、性の多様性を題材としたドラマや映画がたくさんあることも知りました。しかしカミングアウトしたことによって人間関係の心理的安全性が広まった反面、まだカミングアウトやマイノリティは安心安全とは言えない日本であるとのことです。知らないこと、知る機会がなかったことについて抵抗感があるのは当たり前、それが差別や暴力にならなければ問題ない、しかし知る機会を作ることこそが理解への第一歩であると先生はおっしゃっています。
　当事者の方々からのメッセージや理解者であるALLYの方々からのメッセージを、動画でたくさん紹介していただきました。その表情は皆キラキラしていて、「生まれ変わっても自分がいい」「男らしく女らしくではなく自分らしく」「どうあるべきかではなくどうありたいか」など力強い言葉が印象に残りました。
　最近LGBTQ＋というマイノリティを表す言葉から、SOGIE(性的指向・性自認・性表現)という私たちそれぞれの性的指向や自分の性を表す表現に変わりつつあります。その変化には「みんなちがってみんないい」という社会の流れの影響があるのではないかと、今回の講義を聞いて感じました。知らないから受け入れられないならば、まず知ることからはじめようと思います。
　最後になりましたが、お忙しい中ご講義いただきました鈴木茂義先生に、深く感謝いたします。

「小さく生まれた子を持つ“親”として伝えたいこと」　研修報告　　

ひかり助産院　　早坂ひかり

　第2部では、小児科医師であり、超出生体重児のお子さんを育てられたご経験のある渡邉先生の講義を、とても興味深く楽しみにしていました。
　私は現在地域で働いていますが、新生児訪問や産後ケアを通して小さく生まれた子の母親に接することがあります。最近も23～24週で出産された赤ちゃんのところに、生後数か月の頃訪問しましたが、成長発達に関して正期産児とは違う特徴があり、相談内容に十分答えられず、対応の難しさを痛感しました。今回の講義では、乳幼児期のみならず、高校生までの長い期間の成長発達と育児についてお話しくださいました。発達の特徴を見極めて、両親の関わりや周りの環境を整えることが大切だと学ぶことができました。
　渡邉先生にとっては、講義の中で思い出すことが辛い内容もおありになったのではないかと思います。全体を通して渡邉先生のお人柄がにじみ出る講義で、仙台市にこんな素敵な小児科医がいることがとても嬉しく誇りに思いました。

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以下の研修会は、終了いたしました。

宮城県委託事業令和５年度助産師人材育成・復職支援研修
「性の多様性（CLoCMiP®レベルⅢ必須研修）＆　乳児の発達の診断（産後ケア実務助産師研修）についての研修」開催のご案内です。

※2部構成・オンラインリアルタイム研修（ウェビナー）です。
どちらか１部のみの受講も可能です。

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